庭にレモンが実りました

2025.12.03 ブログ
2025 12レモンの実

木枯らしが吹き、落ち葉がくるくると舞う糸島です。トーンの落ちた冬空の下で、黄色いつわの花がよく映え、玄関先のレモンも少しずつ黄色に色づいてきました。冬の庭先にある“黄色”は、見ているだけで元気をくれます。
今年は、我が家のレモンが初めてたくさん実りました。緑色から黄色に変わるまでに、こんなに時間がかかるのだということも、初めて知りました。
鍼灸院の待合室からレモンを眺めながら、患者さんと収穫のタイミングを話し合う時間は、私にとってとても楽しいひとときです。
「伊都菜彩では緑色のまま売ってたよ。食べてみたら?」「この前TVで糸島レモンが出てたよ。緑のままが貴重らしいよ」「植えてる場所、日当たりと風が良いんだね。うちは全然だよ」「博多に糸島レモンのカフェがオープンしたって知ってる?」「去年はゴディバと糸島レモンのコラボがあったらしいよ」
…などなど、集まってくるレモン情報の多さに驚きつつ、同じレモンを前にしても本当に多様な視点があるのだと面白く感じます。
酸味の強い緑色の時期、まろやかさの加わる黄色の時期。季節ごとに味覚も視覚も楽しませてくれる食材が、庭にある幸せ。そして、レモンひとつで広がる無限の会話。こういう時間が大好きです。
糸島に移住して自然が身近になり、「買う」だけでなく「育てる」という選択肢が増え、その成長過程を眺める楽しみも知りました。
それがきっかけで、季節の移ろいを知らせる他のアイテムも調べてみると、二十四節気でいう「小雪」の頃には「木枯し」「やつで」「白菜」「かわせみ」「かます」が旬の存在なのだそうです。
そういえば最近——かわせみが窓ガラスにぶつかって気絶していたり(少し休んで元気に飛び立っていきました)別々のご近所さんから同時に白菜をいただいたり、庭の日陰で大きな葉を広げていた植物が、実は“やつで”だったり。
えー、はー、うそぉー!思いがけず季節のアイテムが揃っていて、ひとりで笑ってしまいました。
せっかくなので庭の”やつで”をよく見てみると、茎の中央に白い小さな花がぽつぽつと咲いていました。ここに数年いるはずなのに、花を見るのはこれが初めて。毎年咲いていたのでしょうが、ようやく「初めまして」です。
意識しないと見逃してしまう季節の旬に、ふと気づけた瞬間。そして気づけた自分に、静かな喜びを感じました。

2025 12ツワの花
2025 12やつで花

福岡県糸島市 鍼灸しずいろ